21世紀を向え、地方分権・少子高齢化・高度情報化への進行、環境問題に対する意識・地域間交流の高まり、青少年を取巻く環境、物から心への価値観の多様化など、時代の潮流は大きく変化してきました。
このような時代の背景の中で、我が勝北町を取巻く社会情勢、構造は複雑多岐に変化しつつあり、将来に不安な感じさえ抱かせています。
勝北町の将来を望むにあたり、今、最も大切なことは何かを摸索した時、それは、勝北町が常に目指してきた「連帯や共同」に代表される「心と心のつながり」であることに行き着くと考えられます。
町の活性化、振興のために、社会資本の整備、教育、福祉、などの充実に行政として最大限の努力を傾注することはもちろんでありますが、多くの人々が望む真の意味での心豊かで安心して生活できる町・地域社会の形成は、一に、町民の叡智を結集し、すべての町民の参加・参画を得て、信頼関係に立ったより深い絆を醸成し、その成果をまちづくりに活かしてこそ実現できるのではないでしょうか。
勝北町第5次総合福祉計画では、勝北町の活力の主体である町民一人ひとりと、生活の舞台である町・地域社会そのものが毎日の暮らしの中で、快適さや豊かさのもとに輝くことの出来る勝北町の実現を目指すとしています。
文化のまちづくり事業に依る、ミュージカル「黒媛物語」の製作は、21世紀の新しい課題への対応と町総合福祉計画のめざす、「大要燦燦 つながる心 広がる未来」の地域社会現実のため、一つの手段として取り組んだものであり、町民一人ひとりの想像力、自立心、並びに連帯感のもと共同して果敢にチャレンジしたものです。
近年、町民を取巻く社会情勢の急激な変化、価値観の多様化は人々の連帯感や共同意識の希薄化、地域社会の活力の低下をもたらし生活環境をも狂わせつつあり、地域の生活文化・精神文化の動向に多大な影響を及ぼしています。
このような社会環境にあって、最も求められているのは、今一度、地域や地域文化の原点に立ち返り何をなすべきかを見直し、心豊かで安心して生活できるまち地域社会を現実し、地域住民がともに支えあいながら、いきいきと暮らすことが出来るようにするための積極的な施策の展開であります。
文化のまちづくり事業は、勝北町総合福祉計画において目標とする、まちの将来像「つながる心・広がる未来」の地域社会実現のため、勝北町の生涯学習の一環として町民主体の実施団体勝北「風と光と心の劇場」実行委員会を設立し、町民総参画を目標をした事業であります。
文化のまちづくり事業に、総合舞台芸術と位置づけられる「ミュージカル」の政策という手法を採用したのは、音楽・文学・演劇・舞踊・美術・音響・照明など、多くの分野において個々の個性・特性に応じて、多くの町民に参画していただくためであります。
また、このミュージカル「黒媛物語」、ジャパニーズ「オズの魔法使い」の製作、公演を通じて家族間、町民相互間、子供と高齢者、男性と女性、町民と他市町村住民との交流と相互理解を深め、連帯してこの事業を推進することにより、勝北町がめざす、「創造・自立・連帯」を基調とする「人間性豊かで活力に満ちた連帯感あふれる地域社会」の創造に寄与しようとするものであります。 |